2017年02月13日
漆喰の歴史を遡れば、今から5千年前のエジプトのピラミッドの壁に使われたのが、その起源とされています。
その後も、古代ギリシャやローマ時代の建築物、アクロポリスの神殿やポンペイの遺跡など重要な建造物には漆喰が使われてきました。
日本で見てみますと、姫路城に代表されるお城や蔵などに使用されてきたのは、よく知られています。
これは、漆喰の優れた防火性や耐久性という特長を活かしてのものでした。
また、古く遡れば、古墳時代から使用されていたようですが、この度、二子塚古墳で、石室内の全面に漆喰が塗られていた可能性があることが発表されました。
飛鳥時代から漆喰!
大阪府太子町にある二子塚古墳は7世紀後半ですので、今から1300年以上も前になります。
今回発見された漆喰は、厚さが2~10ミリで、石室全面に塗られていたと推測されています。
やはり、古今東西、重要なものには必ずこの漆喰が使用されているのですね。
このような歴史ある伝統素材を、現代ではあまり使用されていないことが非常に残念に思います。
歴史的建造物だけでなく、今では一般の住宅でも使用することが出来るのに、どうして使われないのでしょうか??
認知不足
まず初めに考えられるのが、認知度が足りないということでしょう。
漆喰と聞けば名前は誰でも知っていますが、その特長は?と聞かれればよく分からないというのが実情ではないでしょうか。
また、昔よく使われていたものだよね!というように、化石のような過去のものと捉えられているように思います。
でも、先人が理解しているように、漆喰には、耐火性、耐久性、自浄性、調湿性、遮熱性など、数えきれない程の特長があります。
それはみな、住宅には欠かせない要素で、これ以上ない素材になるのですが、非常にもったいないことになってしまっています。
価格の問題
あとは、価格が高いという問題もあります。
高いといっても、その絶対的な価値からすると、決して高くないのですが、他の製品と比較すると高いということです。
その比較するものとは、サイディングなどの大量生産可能なものです。
大量生産品と一品もの、当然に価格が違ってきます。
ですので、これと比較して高いと言われても・・・。
比較すること自体、おかしいということになりますよね。
でも、現実はそうならないところに難しさがあるのです。
漆喰の復権!
漆喰、改めてその価値を認識する必要があります。
せっかくこのような素晴らしい素材があるのに、誤解され使われないのは悲劇です。
漆喰文化、再びつくっていきたいものです!
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